手足の関節が腫れ・痛みが生じるリウマチ
リウマチ(関節リウマチ)とは、本来身体を守ってくれるはずの免疫機能の異常によって、主に手足の関節において痛み、腫れなどが生じる病気です。進行すると、骨・軟骨が破壊されて関節が動かせなくなり、生活の質を著しく低下させます。行動範囲・交友関係が狭まることで、心の面でも健康を損なうおそれがあります。
リウマチは男性よりも女性に多く見られ、年代別では40~60代での発症が目立ちます。
リウマチの原因
直接的な原因は、免疫機能の異常と言われています。免疫異常によって関節に炎症が起こることで、痛みや腫れなどの症状が生じます。
なぜ免疫機能の異常が起こるのかということについては、はっきりしたことが分かっていません。ただ、細菌・ウイルスの感染、慢性的な疲労、喫煙、出産などをきっかけに発症することが多く、その背景には遺伝的要因が関係しているものと考えられています。
リウマチの症状
- 手足の関節の痛み、腫れ
- 起床時の手足のこわばり(30分ほどで消失)
- 倦怠感、疲れやすい
- 微熱が続く
- 食欲不振
手足の関節の痛みや腫れは、左右対称に起こる傾向があります。
症状が悪化すると、タオルを絞れない、物をしっかり掴めない・落とす、長時間の歩行・階段の上り下りが辛いといったことで、生活の質が低下します。
リウマチの検査と診断
以下のような検査を行い、診断します。
血液検査
炎症の有無や程度、免疫機能の状態などを調べることができます。
尿検査
薬による副作用の有無の判断、他の病気との鑑別のために行います。
X線検査
手足の骨びらん(骨の欠け)の有無、軟骨の状態などを確認します。
関節液検査
関節包の中にあり関節のスムーズな可動を支える「関節液」を調べます。
超音波検査
一切の被ばくなく、関節の炎症や腫れを調べることができます。
リウマチの治療
現在、リウマチの治療では薬物療法が中心となっています。当診療所では、必要に応じて理学療法を併用して治療を行います。
なお、手術が必要になった場合・ご希望される場合には、速やかに提携する病院をご紹介いたします。
薬物療法
免疫機能の正常化を働きかける抗リウマチ薬、炎症・関節破壊を抑制する生物学的製剤やJAK阻害剤などを用いた薬物療法を行います。
痛み・腫れを抑える対症療法として、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)を使用することもあります。
理学療法
関節の運動性を改善し、日常生活における支障を取り除くリハビリテーションです。運動療法、温熱療法などを行います。
手術療法
薬物療法や理学療法で十分な効果が得られない、関節の破壊が進行し歩行が難しいといった場合には、手術の適応となります。
術式には、炎症が起こっている滑膜を切除する「滑膜切除術」、関節を人工関節に入れ替える「人工関節置換術」などがあります。